先日「セッション」という映画を観ました。
ジャズドラマーを目指し挫折したニーマンに
退職させられたフレッチャー先生が言ったセリフ。
英語で最も危険な言葉はこの2語だ。
“Good Job”
日本語で言えば「良かったよ」
このひと言に私は苦い思い出があります。
なぜこの言葉が危険なのか。
私は分かるような気がするんです。。。
「良かったよ」の甘い罠
もう10年位前になりますが、
私は全国のカラオケ大会や歌謡コンテストを行脚していた時期があります。
九州の宮崎で開催された
とある歌謡コンテストに出場した時のことです。
審査員をつとめていたのは
ヒット曲を数多く生み出している
作曲家K先生、作詞家N先生の御二方でした。
大会終了後、
ロビーの近くでN先生と偶然お会いした私は
とっさに「ありがとうごございました」と御礼の気持ちを伝えました。
すると先生はひと言
「良かったよ」
そう告げると微笑み、去って行きました。
その瞬間
私は胸がギューッと絞めつけられました。
良かったという言葉から
沢山の気持ちが伝わってきたんです。
うまく言えませんが
本当に良かった訳ではないということ。
それをハッキリ感じました。
その大会で私は
ゲスト賞のような賞もいただいたんですが
その嬉しさよりも
この切なくて悔やしい気持ちの方が忘れられません。
今もステージ後、お客様や関係者の方から
「良かったよ」とお声がけいただくたびに
私はこのN先生のことを思い出します。
本当に「良かったよ」の場合
asariちゃんに「良かったよ」って
声をかけたことあるな〜とか
言っちゃってゴメンナサイとか思って下さった方
大丈夫です!
逆にゴメンナサイ!笑
安心して下さい。
ちゃんと分かっています♡
本当に私のステージに感動して下さっての「良かったよ」と
そうでない場合の「良かったよ」を区別できるんです。
伝わるもので判断することもできますが
簡単に分かる方法があります。
大切なのは「良かったよ」のあと。
本当に「良かった」と思っている場合、
大抵、その後に具体的なことや、自分の気持ちが続くんです。
「良かったよ」
そのような褒め言葉一つで終わる場合は
注意が必要です。笑
いやいや
うまく気持ちを言葉に表現できない人もいるでしょ?
そう思う方もいますよね。
確かに!
でも私の経験上
うまく気持ちを表現できない人や、口数が少ない人の方が、
「良かったよ」のひと言に感情が見えやすいです。
(同業者の方は「うんうん」と頷いてますかね。笑)
だからきっと分かります。
余程、自分を過信したり
うぬぼれたりしていなければ。笑
ビギナーズラック的な時も注意が必要ですね。
私もその宮崎での大会の時はまさにそれで
人前で歌い始めたばかりで調子に乗っていたんだと思います。笑
N先生の「良かったよ」のおかげで私は
伸びかけたお鼻がポキッと折れたのでした。トホホ
さいごに
映画「セッション」のセリフは
こう続きます。
自分の仕事は偉大なミュージシャンを育てることだ。かつて、ヘマをやらかしたチャーリー・パーカーに、ジョー・ジョーンズはシンバルを投げつけた。しかし、それがパーカーの克己心に火をつけ、彼を偉大にした。(中略)「よくやった」と生ぬるく褒めそやすことで、第二のチャーリー・パーカーの才能を殺すことこそが悲劇だ、と。
「良かったよ」は、当たり障りがなくて、
とても使い勝手も良い言葉なんですね。
言葉自体に良い悪いはありませんし、
言っている本人にも悪気はありません。
だけど少なくても、
ヒット曲を出したい!売れたい!と歌手として成長したい私は、
「良かったよ」のひと言を正しく判断できる自分でいなくちゃいけませんね。
「良かったよ」の甘い落とし穴。
映画「セッション」から改めて気付かされました。
今日のホンネ
なんだかんだで、
褒められたら嬉しいんだなー。
にんげんだもの。笑
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