私はハモリが苦手だった。
幼い頃
近所の幼なじみMちゃんと
毎日のように歌って遊んだ。
私と同じで
歌うことが大好きなMちゃんだけど
大きな違いがあった。
ハモリ。
彼女は
私が歌うメロディーに
自然とハモリを入れることができたのだ。
小学生にして。
今思えば強者だ。
言うまでもない
私は全くハモれなかった。
当時Mちゃんは
エレクトーンを習っていた。
Mちゃんの家には
エレクトーンがあって
それを巧みに操って
演奏する彼女の姿に憧れた。
私はピアノを習っていたけど
ピアノにはない先鋭さ。
クラスの男子全員が憧れるほどの
マドンナ的存在のMちゃんに
それはとても似合っていた。
エレクトーンにある
未知のボタンは
どれを押したらどうなるのかと
ワクワクしたし、
右手と左手が違う音を奏で
片足でも鍵盤をたたき
もう片足で
ボリュームを調整している
この同時進行に驚愕した。
あー
だから彼女はハモれるのか。
妙に納得して
私はそれを
自分がハモれない理由にしたのだった。
asariになって7年。
歌い手はハモれちゃって当たり前な現実。
当然みんな
エレクトーンが弾けるわけじゃないわけで。
「じゃあここasariちゃんハモリ入れてみて!」
なんて言われようものなら
「はい!」
と答えながらも足が震えた。
ボーカルグループ
the voice of LOVEへの誘いを引き受けた理由は、
ハモリが苦手
だから
やってみよう!
だった。
the voice of LOVEへの加入は
ひとつの苦手を克服するための
スタートラインだったように思う。
苦手を苦手なままにしないで
スタートにできたからこそ
大切な時間だったと思える。
ハモリが得意!と
胸は張れるほどではないけど、
少なくても今の私は
苦手を何かのせいにはしていない。
何かのせいにして
努力を怠ってはダメダメね。
無駄な経験はひとつもない。
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